なんとなく。
衝動にかられるまま。
腕に刻んでいた。


【no Reason】


珍しく授業をサボった。
いつも授業だけは真面目に出てるあたし。
だってあたしは『優等生』なんだもん。

「あれ〜サボりですか〜?」

コイツはサボりの常習犯。
いつもここにいたのか。

「悪い?」
「ただの真面目ちゃんかと思ってたからなぁ」
「ごめんね、あたし『真面目』を演じてるだけだから」
「へぇ」
「先生敵にまわしたくないしね」

何であたしこんなヤツに本音言っちゃってるんだろ。

「やっぱりなー」

え?

「いつも何かどっかひっかかってたんだなぁ。そっか。スッキリしたわ」

バレてたのか…

「ところでさ、取引しない?」
「取引?」
「皆に知られたくないだろ?…煙草」

ヤバ!煙草出しっぱだった…

「…条件は?」
「俺と付き合うこと!!」

は?

「何で!?」
「バらすよ?」
「じゃなくて、…ホントは付き合いたくないでしょ…あたしと」
「いや、実は前から気になってたのね?君のこと」

いやいやいや…

「あたしと付き合ってもいいことないよ?」
「そーかな?」
「あたし…コレだよ?」

最終手段。
左腕の袖をまくって見せた。
痕になってるもの、まだ開いているもの、多数もの傷。
これで諦めてくれるはず。

「あ、リストカット!?」
「…そうよ。こんな痛い子やめた方がいいよ」

自分で言ながら何故か胸がズキンときた。
傷を見られたことに対してではない、何か…

「いーよそれでも。てか俺そんなの気にしないし?」
「じゃぁ教えてよ。こんなあたしの何処がいいのよ?」
「知らね。てか今気付いた。気になるだけじゃなくてやっぱ好きだわ」
「好きなら理由言えるでしょ!?言わなきゃ…付き合わない…」
「困ったなぁ…理由…ない。だって人を好きになるのに理由ある?それに理屈で人を好きにならないよ。
 んー理屈ぬきでただ君が好き。それじゃダメ?」

『ただ君が好き』
この一言にあたしの心は簡単に動かされた。