【君】

「あ、また雨降ってきたよ…」

外にはぱらぱらと降り始める雨。
一旦止んだのに、また降ってきた。

「最悪…今日傘持ってきてねぇのによ」

部活から帰る準備をしてたときに急にだ。
仕方ない、走って帰るか。
偶然にもバスケ部で足は鍛えられてるからな。

「おつかれっしたー!!」

生徒玄関までは濡れなくてすむ。
靴を履きかえたらダッシュだな。



「お疲れ」

玄関につくと急に彼方から声がした。
振り返ると…君だった。

「部活お疲れ様。あなたのことだから今日は傘持って来てないだろうなぁって思って」

こんな遅くまで1人で待ってたのか?

「あ、図書室に居たらさ、急に降ってきたから、…傘1つしかないけど、一緒に帰ろう?」

図書室、今日は閉鎖日じゃなかったっけ?

「あ、でも傘小さいから少し肩濡れちゃうや…」

その思いだけで充分だよ。

「いいよ。ありがと。帰るか」
「うん」


優しい君へ。
何気ない優しさをもつ君のことが、僕は大好きです。