【ふためぼれ】 「好きや。ひとめぼれやねん…」 言うた。 やっと言えた。 友達に紹介されて一目見たとき、ビビッってきたねん。 もうこれは運命やと思った。 でもそのあとなかなか会えへんで言う機会なかったけど。 1ヶ月経った今、やっと会うことができた。 「あたしは、『ふためぼれ』やで」 ふためぼれって…なんやねん? 「なんやそれ?」 「あたし、ひとめぼれってあんま信じひんの」 「はぁ…」 「1回会っただけじゃぁ人となりがわからへんやん? ましてや喋らんで惚れるなんてありえへん」 …俺、振られるんかな。 「でな、あたしは1回興味持ったら喋ってみて、そこで判断すんねんな」 「そうなんか…」 「せやから、あたしはふためぼれやねん」 「ん、誰に?」 「…アホか?」 笑いながらそう言ったこいつ。 俺、何か変なこと言うたか? 「今何の話してるんか忘れたん?」 「え、俺が…お前に…」 「せやろ?」 「…?」 「もうホンマに頭大丈夫か?」 また笑われた。 もうどうにでも言うてくれ。 どうせ振られるんやから…。 「あたしは、ゆうくんに『ふためぼれ』したってことやの!」 「…え?」 あ、顔赤くなった。 真っ赤になったんも可愛えなぁ。 ん、てか…あ、そうなん? 「ゆうくん、真っ赤やで」 「アホ、お前やって顔赤いで」 「嘘やん…」 「あれ、でも俺らって1回しか会ってへんでな?」 「そうやで」 「それなら『ふためぼれ』ちゃうやん」 「ええの!…ふためぼれでええやん」 「いや、これはひとめぼれやで」 「あたしはひとめぼれなんかせーへーん!!」 なんて言ってるけど、絶対ひとめぼれやんな? なんや、これから楽しくなりそうや。 あとがき